遺産承継業務とは?司法書士に依頼できること
身近な方が亡くなったあと、相続手続きは急に目の前に現れます。
- 役所で書類を集める。
- 銀行の口座を調べる。
- 実家などの不動産の名義を変更する。
- 証券会社や保険会社の書類を探す。
一つひとつは小さな手続きに見えても、実際には窓口が分かれ、必要な書類も少しずつ違います。
高齢の配偶者が一人で動くには負担が大きく、子ども世代も仕事や家事の合間にすべてを確認するのは簡単ではありません。
「何から始めればよいのか分からない」
「相続の手続きの進め方が分からない」
「不動産と預貯金があり、全体像が見えない」
「相続人間でどう話し合えばいいか分からない」
このような方が多いのではないでしょうか。
相続手続きは、最初から答えを決めるものではありません。
まず、亡くなった方の相続人、財産を確定し、次に、必要な手続き、家族で決めることを整理します。
司法書士法人まりものわでは、相続手続きで迷っているご本人、ご家族、子世代の方に向けて、遺産承継業務として手続き全体の整理をお手伝いしています。
相続手続きで最初に必要なのは、全体像の整理です
相続というと、すぐに「財産をどう分けるか」を考えがちです。
でも、実際の現場で最初につまずきやすいのは、そこだけではありません。
- 誰が相続人になるのか。
- どの財産があるのか。
- 不動産の名義は誰になっているのか。
- どの銀行や証券会社に手続きが必要なのか。
- どの書類を、どこから集めるのか。
- 誰が家族の窓口として動くのか。
この整理がないまま進めると、同じ書類を何度も取り寄せたり、金融機関ごとに確認が増えたり、家族の中で負担が偏ったりします。
特に不動産がある場合は、相続登記も関係します。
令和6年4月1日から相続登記は義務化されており、不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記する必要があります。
義務化前に発生した相続も対象になるため、「昔の名義のままになっている実家」がある場合も、早めに確認した方が安心です。
相続手続きは、急いで決めるよりも、先に全体像を見える形にすることが大切です。
相続手続きは「相続人」と「財産」を整理してから話し合います
相続手続きは、財産を早く分けることよりも、順番を間違えないことが大切です。
順番を間違えると、せっかく家族で話し合った内容を後から見直したり、協議書を作り直したりすることがあります。
特に大切なのは、相続人の確定、財産の把握、相続人全員での協議、協議結果の書面化という流れです。
この記事では、相続手続きを進めるときに、どの順番で何を確認すればよいのかを整理します。
※本記事は、相続手続きの一般的な流れを説明するものです。個別の事情により必要な手続きや相談先は変わります。
まず、誰が相続人になるのかを確定します
相続手続きで最初に確認したいのは、誰が相続人になるのかです。
ここを曖昧にしたまま財産の分け方を決めると、後から手続きが進まなくなることがあります。
民法では、亡くなった方の子は相続人になり、子がいない場合には直系尊属、さらに兄弟姉妹が相続人になることがあります。
また、配偶者は常に相続人になります。
そのため、家族の感覚だけで「相続人はこの人たちだけ」と決めるのは危険です。
前婚時の子、養子、認知された子、既に死亡している子の代襲相続人など、普段の家族関係だけでは把握しきれない方が相続人に入ることがあります。
まず、話し合いに参加すべき人が誰なのかを見える形にすることが目的です。
相続人を一人でも見落とすと、協議のやり直しになることがあります
遺産分割協議は、相続人全員で行うことが前提です。
相続人の一部を除いて話し合った場合、その協議は有効なものとして扱えず、不動産や金融機関の手続きが進まないことがあります。
たとえば、子どもだけで協議して預貯金を分けた後に、前婚時の子がいることが分かった場合、もう一度その方も含めて話し合う必要が出ます。
協議書を作り直す必要が出ることもあります。
だからこそ、最初に相続人を確定しておくことが、結果的に家族の負担を減らします。
次に、相続財産の全体像を把握します
相続人が見えてきたら、次は財産を確認します。
ここで大切なのは、見つかった預貯金だけを先に分けないことです。
相続財産には、不動産、預貯金、証券、車、貸付金、未収金、借入金、未払金など、さまざまなものがあります。
生命保険や共済などは、契約内容や受取人の指定により、相続手続きでの扱いが変わることがあります。
預貯金だけ先に分けた後で、思わぬ不動産や借入金が見つかると、最初に決めた分け方の前提が変わります。
- 実家の土地建物があると考えていたら、別の土地も残されていた。
- 固定資産税の通知書を見たら、知らない共有持分が見つかった。
- 預貯金を分けた後に、未払い費用や借入金が分かった。
こうしたことが起きると、家族でもう一度話し合う必要が出ます。
だからこそ、財産は先に全体を見える形にすることが大切です。
不動産は、現金のように単純には分けられません
特に注意したいのは、不動産です。
不動産は、現金のように人数で単純に分けることができません。
- 誰か一人が取得するのか。
- 売却して代金を分けるのか。
- 取得する人が他の相続人に代償金を払うのか。
選び方により、その後の管理、売却、固定資産税、家族の負担が変わります。
そのため、不動産がある相続では、預貯金だけを見て分け方を決めるのではなく、不動産も含めた全体のバランスを見ることが大切です。
財産を見える化してから、相続人全員で話し合います
相続人と財産が整理できたら、相続人全員で遺産分割協議を行います。
遺産分割協議は、専門家が代わりに決めるものではありません。
分け方を決めるのは、あくまで相続人本人たちです。
司法書士は、不動産の名義変更に必要な手続き、法務局へ提出する書類、相続関係の整理、協議書作成に必要な確認事項などについて、業務範囲内で相談に応じることができます。
- どのような分け方が考えられるか。
- その分け方だと、相続登記や金融機関手続きでどのような書類が必要になりそうか。
- 不動産を一人が取得する場合、協議書にはどのような記載が必要になりそうか。
このような手続き面の道筋を整理できます。
財産の話し合いで、家族の関係を壊さないために
財産は、亡くなった方が知恵と時間をかけて築いた大切なものです。
その財産をめぐり、家族の関係が崩れてしまうのは、とても残念なことです。
もちろん、すべてを我慢する必要はありません。
ただ、相続の話し合いでは、正しさだけでなく、これからの家族関係も残ります。
- 一人だけが得をする形ではないか。
- 高齢の配偶者の生活に無理が出ないか。
- 実家を守る人に負担が偏る形ではないか。
- 不動産を取得しない人の納得感はあるか。
こうした視点を持ちながら、少しずつ譲れるところを探すことも、相続手続きを進めるうえで大切です。
相続は、財産だけの問題ではありません。
これからの家族の距離感をどう残すかという話でもあります。
話し合いの結果は、手続きに使える書面にします
話し合いがまとまったら、その内容を遺産分割協議書などの書面にします。
口頭で合意していても、金融機関や法務局で手続きを進めるには、書面が必要になることがあります。
遺産分割協議書では、誰が、どの財産を、どのように取得するのかを分かる形にします。
協議書ができた後は、不動産の相続登記、預貯金の解約や払戻し、証券口座の移管、その他の名義変更などを進めます。
ここまでの相続手続きをまとめて支えるのが、遺産承継業務です
ここまで見てきたように、相続手続きは一つの窓口で終わるものではありません。
- 相続人を確認する。
- 財産を調べる。
- 協議の結果を書面にする。
- 不動産の名義を変える。
- 預貯金や証券などの手続きを進める。
これらを、家族だけで一つずつ進めることも不可能ではありません。
ただ、実際には時間も手間もかかります。
遺産承継業務は、こうした相続手続きをまとめてサポートします。
早めに相談した方がよいケース
次のような方は、早めに相談しておくと安心です。
- 何から始めればよいか分からない方
- 高齢で一人で手続きを進めるのが難しい方
- 仕事や家事の合間に相続手続きを進めている方
- 不動産、預貯金、証券、保険など財産の種類が複数ある方
- 実家や土地の名義が誰になっているか分からない方
- 相続人が多く、誰に何を確認すればよいか分からない方
- 争いにしたいわけではないけれど、進め方を間違えたくない方
依頼するメリットは、迷う時間を減らせることです
- 次に何を確認すればよいのか。
- どの書類を集めればよいのか。
- 家族で何を決める必要があるのか。
- 自分たちで進められることと、専門家に任せた方がよいことは何か。
この道筋が見えるだけでも、相続手続きの負担は大きく変わります。
相続は、財産を分けるだけの手続きではありません。
亡くなった方が残した大切な財産を、これからの家族が迷いにくい形へ整理していく時間です。
その大切な時間を、書類集めや窓口対応だけで疲れ切ってしまうのは、もったいないことです。
専門家に任せられる部分は任せる。
家族で話し合うべき部分は、落ち着いて話し合う。
この役割分担ができると、相続手続きは進めやすくなります。
最初からすべて決めてから相談する必要はありません
「相続人が誰になるのか分からない」
「財産がどこまであるのか分からない」
「預貯金や証券の手続きもまとめて相談したい」
「家族で話し合う前に、進め方を整理しておきたい」
このような段階でも、相談はできます。
大切なのは、分からないことをそのままにして進めないことです。
早めに相談することは、急いで依頼を決めることではありません。
まず、今の状況を整理することです。
- 誰が相続人になるのか。
- どの財産を確認すればよいのか。
- どの手続きに期限があるのか。
- 家族で何を話し合う必要があるのか。
- 司法書士に任せられることは何か。
これらを見える形にすることで、相続手続きは進めやすくなります。
司法書士法人まりものわでは、相続手続きに不安がある方に向けて、遺産承継業務のご相談を受け付けています。
不動産の相続登記だけでなく、戸籍収集、相続人の確認、遺産分割協議書の作成、預貯金や証券などの手続きの整理まで、状況に応じてサポートします。
「何を依頼すればよいか分からない」という段階でも、ご相談いただけます。
まずは、分かる範囲の資料やメモを手元に置いてご相談ください。
相続手続きでお困りの方は、LINE、電話、問い合わせフォームからご連絡ください。
ご家族だけで抱え込まず、まずは手続きの全体像を整理するところから始めましょう。
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