相続登記を放置するとどうなる?起こりやすいことと今できる確認

名義がそのままでも、すぐ困らないことがあります

実家の名義が、亡くなった親や祖父母のままになっている。

そう気づいても、今すぐ売る予定はなく、固定資産税もこれまで通り支払えている。

だから、相続登記はつい後回しになりがちです。

名義がそのままでも、今日の生活にすぐ困るとは限りません。

  • 実家に家族が住み続けている。
  • 空き家だけれど、すぐに売る予定はない。
  • 固定資産税の通知書も届いていて、支払いも続けている。

このような状態だと、「今すぐ名義を変えなくても大丈夫」と感じる方もいると思います。

ただ、相続登記の問題は、困っていないときには見えにくいです。

そして、困ったときには確認することが一気に増えていることがあります。

相続登記を放置すると、時間が経つほど、後から家族が手続きを進めにくくなることがあります。

この記事では、相続登記を放置すると起こりやすいことと、今のうちに確認しておきたいことを整理します。

※本記事は、相続登記に関する一般的な説明です。

個別の事情により、必要な手続きや対応は変わります。

放置すると、次の相続で関わる人が増えます

相続登記を放置したまま次の相続が起きると、不動産に関わる人が増えていきます。

たとえば、祖父名義のままの土地があるとします。

その土地の相続登記をしないうちに、子である父も亡くなる。

すると、本来は父の代で整理できた話し合いに、孫世代まで関わることがあります。

さらに時間が経つと、甥や姪、普段ほとんど付き合いのない親族が相続人になることもあります。

面識のない相続人が出てくると、連絡先を調べるところから始めなければなりません。

関わる人が増えると、次のような負担が大きくなります。

  • 連絡先を調べる手間が増える
  • 集める戸籍の範囲が広がる
  • 話し合いに参加してもらう調整が難しくなる
  • 相続人全員の合意を取るまでに時間がかかる

子ども世代だけで話せば済んだはずのことが、世代をまたいだ大人数の手続きになってしまう。

これが、相続登記を放置したときに起こりやすいことの一つです。

早めに相続登記をしておけば、関わる人が増える前に不動産の名義を整理できます。

結果として、将来の家族の負担を減らしやすくなります。

売りたいとき・貸したいときに手続きが止まります

相続登記は、不動産を持ち続けている間は急ぎではないように感じることがあります。

でも、不動産を動かそうとしたときに、名義の問題が表に出てきます。

  • 実家を売りたい。
  • 空き家になった家を貸したい。
  • 土地を担保にして融資を受けたい。

このような場面では、亡くなった方名義のままでは手続きが進みにくくなります。

売買や担保設定をする前に、相続登記で名義を相続人へ移しておく必要があるためです。

急いで売りたい事情が出てから、戸籍の収集や相続人の確認を始めると、希望する時期に間に合わないことがあります。

買主が見つかっているのに、名義変更が終わらず話が止まることもあります。

不動産は、使う予定がないから放置してよいとは限りません。

将来、売る、貸す、建て替える、担保にする可能性が少しでもあるなら、名義を整えておく方が進めやすくなります。

他の相続人の事情に巻き込まれることがあります

相続登記をしないまま時間が経つと、自分以外の相続人の事情が、不動産に影響することがあります。

  • 相続人の一人に借金がある。
  • 相続人の一人が亡くなり、その相続人がさらに増える。
  • 相続人の一人と連絡が取れなくなる。
  • 相続人の一人が認知症になり、話し合いが進めにくくなる。

このような事情が重なると、相続登記の前提となる話し合いや書類の準備が複雑になります。

特に、相続人の一人に債務がある場合、その方の持分や権利関係に他の人が関わってくることがあります。

事情によって扱いは変わるため、心配な場合は早めに専門家へ確認しておくと安心です。

相続登記は、自分の都合だけで進められるとは限りません。

相続人全員の状況が関係します。

だからこそ、自分たちの代で整理できるうちに、名義を確認しておくことが大切です。

相続登記は義務化され、過料の可能性もあります

令和6年4月1日から、相続登記は義務化されています。

不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に、相続登記をする必要があります。

正当な理由がないのに期限内に申請しない場合は、10万円以下の過料が科される可能性があります。

令和6年4月1日より前に発生した相続で、まだ相続登記がされていない不動産も義務化の対象です。

この場合は、原則として令和9年3月31日までに相続登記をする必要があります。

「昔の相続だから関係ない」と考えない方が安心です。

亡くなった親や祖父母の名義のままになっている不動産がある場合は、早めに確認しておきましょう。

過料と聞くと、不安になるかもしれません。

ただ、ここで大切なのは、過料だけを心配することではありません。

相続登記の義務化は、これまで見えにくかった放置の負担を、今のうちに見直すきっかけでもあります。

期限があるからこそ、家族で後回しにしてきた名義の問題を整理しやすくなります。

なお、遺産分割協議がまとまらない場合や、相続人が多くて書類収集に時間がかかる場合には、相続人申告登記という制度を利用できることがあります。

これは、期限内に自分が相続人であることを法務局へ申し出ることで、相続登記の申請義務を果たすための制度です。

ただし、相続人申告登記をしただけで、不動産の名義が最終的に整理されるわけではありません。

売却や担保設定などを進めるためには、別途、相続登記が必要になる場合があります。

どの制度を使うべきかは、状況に合わせて確認することが大切です。

放置が気になったら、まず確認したいこと

相続登記が気になり始めたら、いきなり手続きを完成させようとしなくても大丈夫です。

まずは、分かる範囲で状況を確認するところから始めます。

確認したいのは、主に次の点です。

  • 亡くなった方名義の不動産がありそうか
  • 固定資産税の通知書が届いているか
  • 権利証や登記識別情報が家に残っているか
  • 実家や土地の名義が今誰になっているか
  • 相続人になりそうな人が誰か
  • 過去の相続で未了の手続きがないか

手がかりになるのは、固定資産税の通知書、権利証、登記識別情報、不動産関係の契約書、家に残っている古い書類などです。

ただし、固定資産税の通知書だけでは、すべての不動産を把握できない場合があります。

私道の持分や、遠方の土地、共有持分などが後から見つかることもあります。

書類が全部そろっていなくても問題ありません。

分かる資料を集めておくだけでも、次に何を確認すればよいかが見えやすくなります。

大切なのは、「分からないから動けない」で止めないことです。

分からないことを見える形にするだけでも、相続登記は進めやすくなります。

早めに司法書士へ相談した方が安心なケース

次のような場合は、早めに司法書士へ相談した方が安心です。

  • 祖父母名義のままの不動産がある
  • 前の相続が終わらないうちに、次の相続が起きている
  • 相続人の中に遠方の方や連絡を取りにくい方がいる
  • 実家を売る、貸すなど、将来動かす可能性がある
  • 相続人の一人の事情が、不動産に影響しそうで心配

これらは、時間が経つほど確認に手間がかかりやすい場面です。

早い段階であれば、確認する範囲が狭く、選べる進め方も多く残っています。

司法書士に相談すると、不動産の名義、相続人の範囲、必要書類、登記申請の流れを整理しやすくなります。

まず、今の状況を整理するだけでも意味があります。

迷う場合は、状況を整理するところから始めましょう

相続登記の放置は、単に「手続きが済んでいない」という話だけではありません。

名義をそのままにしておくと、次の相続、売却、他の相続人の事情など、後から家族が立ち止まる場面が増えていきます。

今すぐ売る予定がなくても、名義を確認しておく意味はあります。

固定資産税を払っていても、相続登記が済んでいるとは限りません。

亡くなった方名義のままの不動産が残っていないか、一度確認しておくと安心です。

司法書士法人まりものわでは、相続登記について、分かる範囲の資料やメモをもとにご相談いただけます。

次のような段階でも大丈夫です。

  • 実家や土地の名義が、亡くなった親や祖父母のままかもしれない
  • 放置していることが気になっているが、何から確認すればよいか分からない
  • 将来、実家を売るか貸すか迷っている
  • 相続人が増えていないか心配
  • 相続登記の期限に間に合うか不安

ご家族だけで判断しようとすると、どこから進めればよいか分かりにくいことがあります。

相続登記でお困りの方は、LINE、電話、問い合わせフォームからご連絡ください。

まずは、不動産の名義と、今の状況を整理するところから始めましょう。

早めに相談

電話、LINE、フォームから、状況に合う方法でお問い合わせください。