遺言書とは?作成するメリットと必要性

「うちには大げさ」と感じる方へ

「遺言書を書くほど、財産が多いわけではない」

「家族仲は悪くないので、話し合えば決められると思う」

「書くと、最後の準備をしているようで気が進まない」

そう感じるのは自然なことです。

遺言書は、財産の多い家庭や、すでに対立がある家庭だけのものではありません。

亡くなった後に家族が迷いそうなことを、本人の言葉で残すための書面です。

この記事では、遺言書の役割、作るメリット、必要性を考える手がかりに範囲を絞ります。

※本記事は、遺言書に関する一般的な説明です。個別の事情により、必要な手続きや対応は変わります。

遺言書は、財産と想いの行き先を示す書面です

遺言は、自分が亡くなった後の財産の分け方などについて、最終の意思を示すものです。

遺言書がある場合は、原則として、その内容を出発点に相続手続きを進めます。

遺言書がない場合は、相続人全員で遺産の分け方を話し合うことになります。

財産は、人生で積み重ねた時間と想いの形です。

実家には、子どもが育った時間や、親が守ってきた暮らしが重なっています。

預貯金にも、働いて積み重ねた時間や、家族へ残したい考えがあります。

遺言書は、その財産をどう引き継いでほしいかを、家族が迷いにくい形へ整える手段です。

遺言書がないと、家族が判断する場面が増えます

遺言書がないこと自体で、直ちに相続手続きができなくなるわけではありません。

ただし、本人の考えが分からないまま、家族が分け方を決めることになります。

実家を残すのか、売却するのかで意見が分かれる場合があります。

固定資産税の通知書に、家族が知らない土地が載っていることもあります。

祖父母名義のままの土地や、私道の持分が見つかる場合もあります。

通帳の保管場所や取引金融機関が分からず、財産の確認に時間がかかることもあります。

今できる小さな確認は、固定資産税の通知書と通帳の保管場所を家族で共有することです。

分け方を決める前に、どのような財産があるかを確認するだけでも話すきっかけになります。

財産額より、家族が迷う点があるかを見ます

遺言書の必要性は、財産が多いか少ないかだけでは決まりません。

実家のように分けにくい財産が一つあるだけでも、家族が判断に迷う場合があります。

預貯金が少なくても、誰が実家を管理するかが決まっていないことがあります。

おひとりさまの場合は、財産の行き先を自分の意思で示したいことがあります。

家族関係や財産の内容によって、必要性の考え方は変わります。

今できる小さな確認は、自分がいなくなった後に家族が迷いそうなことを一つ書き出すことです。

作るメリットは、本人の考えを出発点にできることです

遺言書があると、家族は本人の考えを確認しながら手続きを進められます。

家族だけで、本人の気持ちを推測する時間を減らせる場合があります。

誰が実家を引き継ぐのかという方向が示されていれば、話し合いの土台になります。

家族以外へ財産を託したい考えがある場合も、その意思を示せることがあります。

遺言書があっても、財産の調査や名義変更などの手続きは必要です。

それでも、本人の考えが見えることで、手続きの道筋を作りやすくなります。

今できる小さな確認は、財産の分け方より先に、家族へ残したい考えを一文で書くことです。

遺言書だけでは担えないことがあります

遺言書は、亡くなった後の財産承継を中心に意思を示すものです。

認知症になった後の預金管理や、施設への入所契約を支える仕組みではありません。

葬儀、納骨、住まいの片付けなどの死後事務も、遺言書だけでは進めにくい場合があります。

一定の相続人には遺留分が認められるため、希望どおりの承継にならない場合もあります。

どの場面でどの制度が利用できるかを理解し、他の制度との併用を検討することも大切です。

まだ大丈夫と思える今のうちに、話すきっかけを作れます

遺言書の話から始めると、親が身構えることがあります。

帰省や法事のときに、いきなり遺言書という言葉は使わずに、実家の将来を聞くところから始められます。

固定資産税の通知書が届いた時期に、土地の名義を一緒に確認できます。

通帳を整理するときに、金融機関と保管場所を共有できます。

実家の修繕が話題になったときに、将来も残したいかを聞けます。

制度の話ではなく、親が大切にしてきた財産と想いを聞く時間にします。

その会話が、家族が話せる備えと、家族が迷いにくい形につながります。

現行制度と、2026年の見直し予定を分けて考えます

2026年7月時点では、現在の遺言制度に基づいて遺言書を作成します。

2026年6月には、遺言制度の見直しを含む改正法が成立し、公布されました。

遺言制度に関する改正部分は、2026年7月時点では施行前です。

そのため、改正後の仕組みがすでに始まったと受け取らないよう確認が必要です。

作成を検討するときは、相談時点の現行ルールを確認します。

司法書士法人まりものわでは、次のような段階からご相談いただけます

  • 遺言書が必要なのか判断できず、家族にも話せていない
  • 実家や土地の名義が分からず、財産の全体を整理できていない
  • 親に相続の話をどう切り出せばよいか迷っている
  • 誰に何を残したいか、まだ考えがまとまっていない
  • おひとりさまで、財産と死後の手続きの道筋を考えたい

書類がそろっていなくても、話がまとまっていなくても大丈夫です。

LINE、電話、問い合わせフォームから、分かる範囲の状況をお知らせください。

まずは、家族が迷いそうな財産と、残したい想いを整理するところから始めましょう。

遺言相談

電話、LINE、フォームから、状況に合う方法でお問い合わせください。